2017年6月12日月曜日

Logitech G100s ケーブル作成


発売と同時に即輸入し愛用していたG100sですが、このたび猫にケーブルを噛み切られてしまいました。
断線を修理するだけでは芸が無いため、これを機に一からケーブルを作ってみます。

調達したものは以下の通り。

4芯シールドの中からマウスケーブルに適していそうなしなやかで細めの型を選定し
試しにこの2種類を買ってみました。
今回のG100sではオリジナルケーブルと外径が等しい2929を採用。
2769は買ってはみたもののHID用としてはいくらなんでも細すぎか...
ケーブルは細ければ細いほど導体抵抗も高く、使用するデバイスの電力設計も考慮する必要があるかと思います。

Mogami 2929
Mogami 2769


USB-Aコネクタ。



日圧PHシリーズのPHR-5オスメスセットと圧着用端子。
マウスによく使用されているのに類似したタイプのコネクタを選びました。
極論としては対象マウスで使われている基板のピッチに合うなら
好みのコネクタで良いです。


熱収縮チューブを径別に3種類くらい。


Engineerの精密圧着ペンチ PA-09
日圧の純正圧着工具は目玉が飛び出るほど高価でとてもじゃないが買えません。
廉価な汎用圧着工具のなかで、PHのような極小端子を圧着できる唯一の製品と言ってよいこれを購入。

それでは作業をしていきます。


ケーブルの切り出し。純正ケーブルは内部に収納されている部分を含めて
1.9m弱くらいだったので、同程度に。


両端の被覆を剥きます。
(USB-Aコネクタ側には熱収縮チューブは要りません)
この時点でUSB-Aコネクタのゴムキャップはケーブルに通しておきましょう。


USB-Aコネクタ側の半田付け。仕上がりが汚いので次回はリベンジ予定。


付属の黒い樹脂カバーを装着。


金属のベースに突っ込みます。裏表向きが決まってるので注意。


付属の金属カバーを装着。


根元をカシメます。ケーブルが細いので巻き付けるようにカシメましょう。


シールド線をシャーシに半田付け。
私はわざわざ半田付けしましたが、カシメるだけで十分です。


あらかじめ通しておいたゴムキャップを被せて、USB-Aコネクタ側は完成です。


反対側をこんな風に処理します。
熱収縮チューブは先に入れておきます。


それぞれの線に端子を圧着。
圧着手順はEngineer様のサイトにまとめ記事がありますので参考にしました。
ケーブルが細く、端子は非常に細かいのでコツが要ります。
一つは被覆側を圧着する際に力を入れ過ぎないことです。
力を入れ過ぎると、圧着後にケーブルが千切れます。


熱収縮チューブを処理。
横着をしてはんだごてで収縮させたので、ヤニ汚れがついてしまいました...


コネクタオスに端子を刺していきます。
USB-Aコネクタ側のピンアサインは仕様で決まっていますが
基板側のピンアサインについてはマウスごとに異なるので注意しましょう。
G100sの場合は↓この配置となっていました。



ケーブル仮完成です。


G100sの基板を取り出します。
実験のためセンサーをPMW3320に付け替えたままのG100sです。


元のコネクタメスを取り外し。


左:元のコネクタ
右:日圧PHシリーズ5ピン

一見全く同じに見えますが微妙に違います。


新しいコネクタを半田付け。
半田付けはオリジナルより美しく仕上げることを目標に作業します。


基板を装着。


新しく作成したケーブルを這わしてみます。
違和感もなく良い感じ。


無くても問題はないのですが、せっかくなのでオリジナルのケーブルから
引っ張り止めの部分を再利用。がっちり固着しているので裏面を縦にカットして外しました。
これを新しいケーブルに仮で装着して位置を決めます。


引っ張り止めとケーブルの接着処理もしておきます。
今回は信越シリコーン 一液型RTVゴム KE-45Bを使用。
耐候性と絶縁性があり電気系統との相性抜群です。
そして幅広い素材に粘着する汎用性の高さが好みです。
ベッタリ大雑把に塗って、はみ出た部分をふき取ればOK。


改めてボディを這わせます。
これで完成と言いたいところですがもうひと手間。


USB-Aコネクタ側です。ケーブルの径が小さいため隙間ができています。
せっかく信越シリコーンがあるのでこれを活用して穴埋め処理します。


ノズルを使って隙間にグニューっと流し込んでいきます。


溢れ出た部分を綺麗に馴らして終了。硬化まで24時間安静にします。


動作確認してG100sの自作ケーブル版完成です。
簡単な作業だと高を括っていましたが、実際やってみると思いのほか大変でした。

単に修理したいだけなら、手間暇を考えると新しいマウスを購入し直す方が賢明ですね。
しかしケーブルだけが残念なお気に入りのマウスを、自分好みのしなやかなケーブルに
替えるメリットは計り知れないものがあります。
今回のG100sについてはオリジナルケーブル自体それ程悪くはありませんが、
それでも自作ケーブルの方が遥かにしなやかで取り回しのストレスが激減し、
実益が高いと感じました。

今後はG302&G402、Spawn、Xornetのような、バリカタごん太ケーブルのせいで
操作性が犠牲になっているマウスを優先的に自作ケーブル化していこうと思います。

3 件のコメント:

  1. 柔らかいケーブルへのリケーブルは大変ですが使用感が大きく改善しますよね。
    固い布巻きはマウスパッドによってはすごい抵抗になるのでできればやめて欲しいですがどんな意図があるんでしょう。

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    1. 柔らかいケーブルだと机の上やマウスパッドの上に纏めておくだけでもケーブルテンションによって操作が妨げられることもなく
      バンジー要らずなのが良いです。

      堅い布巻きは確かに考えものですね。
      G900やG303に使用されてるしなやかなものだと操作感は悪くないですが、長く使ってるとマウスパッドの縁と擦れたりして徐々にほつれてきました。

      ゲーミングマウスに太くて丈夫な布巻きを使いたがる理由は
      おそらく耐久性の観点からだと思います。
      マウスは放り投げられたり落としたりと
      乱暴に扱われることが多く、仮にMogami2929のような細く柔らかいケーブルを採用すると
      簡単に引き千切ってしまう人が続出し
      弱小企業は交換保証対応に耐えられないと思いますね。
      布巻きだと摩擦に対しても強いと思います。
      ほつれて醜くなりますが芯線が露出してしまうまでにワンクッションあるのが強みではあります。

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  2. G303がamazonから消えてしまいg302のリケーブルの検索から飛んできました。大変勉強になります。

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